古代中国では四瑞(麟・亀・龍・鳳凰)として尊ばれた想像上の瑞鳥で、邪気を追い払い災害を避け、縁起の良い力をもった幸運をよぶ生き物として崇められ権威の象徴でもあります。作品には2体の龍が前後に1体ずつ登りゆく様子と下へと降りゆく様子が描かれています。これは、守り神とされる龍が、いかなる方向からも守ってくれるという作者の願いが込められています。
本作品の見どころは、その躍動感と生きているかのような目や表情にあります。
龍は目によって強くも優しくも表情が変わりますが、目に青緑に光るヤコウガイを据え、光の差しようによって表情が変化し、その自然が織りなす光の加減によって様々な表情を見せます。明るい金粉を撒き、研ぎ出しすることで、黄金の龍の道が躍動感あふれた形で表現されています。また、カトラリーには七宝などの小紋が龍と呼応したデザインで描かれています。